普段仕事でお付き合いのあるレコード会社からさまざまな新作を送っていただくのですが、そのなかには雑誌や本で取り上げる機会を逸してしまったものもあります。
家にいる時間が長くなったことですから、これから、そういう作品をできるだけ取り上げていこうと思います。
選定基準は、私の気が向いたもの。これだけ。タイトルとパッケージ写真を掲載するだけのこともあれば、長々と蘊蓄を傾けることもあるでしょう。ただし、いずれに思い入れがあるかは、かならずしも文の長短に係りません。
さて、そんなわけで、とりあえず本日の一枚。
2008年に南カリフォルニアで結成されたバンド、CHONによる3枚目のスタジオ・アルバム『CHON』です。
プログレッシヴでジャジィなインストゥルメンタル主体の音は、きわめて技巧的ながら、同時に人の温もりとそよ風のような心地よさを合わせ持っています。彼らにとって音から喚起されるイメージを豊かにするのには、技巧も温もりも不可欠な要素なのでしょう。マスロックなるカテゴリーに属するとされるバンドですが、私はむしろペンギン・カフェ・オーケストラに通じるものを感じました。この感じ、わかっていただけるでしょうか。(T.M.)
CHON『CHON』ソニー SICX131(2019年7月)
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